美味しいお茶の入れ方

日本茶をおいしく入れる5つのポイント

今からご紹介する5つのポイントで、お茶は劇的においしく、そして楽しく入れていただけます。


 1.季節やお茶の種類の特徴にあった茶器を選ぶ

■お茶の種類、入れる人数に合った茶器を用意する

茶器の大きさの目安は以下の通り
玉露90mlが入る急須、ごく小振りの茶碗(40ml)
上級煎茶250mlが入る急須、小振りの茶碗(100ml)
中級煎茶600mlが入る急須、中振りの茶碗(150ml)
番茶・焙じ茶800mlが入る急須か土瓶、大振りの茶碗(200ml)


■季節や茶種の特徴に合わせ、味を引き立てる茶器で楽しむ
茶器の色も大切です。玉露や煎茶には、お茶の色がよく映える白磁のもの、熱めの湯でたっぷり入れる番茶やほうじ茶には、ホッとくつろぎを感じるやさしい色合いの土物がおすすめです。
また季節に応じて、春には白地や淡色の薄手のもので、夏には水出しの冷茶を涼しげなガラスの器で、秋冬には温かみのある色合いのものを使うなど、見た目や手触り、季節感などでお好きな茶器を選ぶと、お茶の楽しみがよりいっそう膨らみます。


■最近、主流の深蒸しタイプのお茶に重宝

帯網急須最近主流となっている、茶葉が比較的細かい深蒸しのお茶や、急須で粉茶を入れる場合には、茶漉し部分が細目(ささめ)になっているものや、目詰まりのし難い「帯網」の急須を用いると良いでしょう。
普通煎茶にも使え、湯切れが良いので簡単においしく入れられます。


 2.水を吟味する

淹れたお茶の99.7%は水です。ですから使用する水は、お茶の香味に大きく影響します。

■カルキ臭を抜く
水道水は、お茶の香味に大きく影響するカルキ臭を抜くため、沸騰し始めたら、ヤカンの蓋を外すか、少しずらし、沸騰状態を3~5分間続けます。
また浄水器を通したり、4~5時間汲み置きしてもカルキ臭を抜くことができます。
※湯冷ましが必要な場合でも、必ず一度沸騰した湯を目的の温度まで冷まして使用して下さい。これを怠ると、急須の茶葉が泡に包まれて沈まなくなったり、淹れたお茶が水っぽくなったりします。

■硬度の低い軟水を選ぶ
市販のミネラルウォーターを使用する場合、硬度の高い水でお茶を淹れると、味が淡白になり、香りも薄く、お茶が白く濁ってしまいます。
日本茶に合う水は、硬度30~80程度とされています。
また有機物や鉄、マンガンなどが少ない水がよく、外国産のミネラルウォーターも、カルシウムなどが多く含まれているものはお茶には不向きとなります。


 3.お茶の種類と人数による 「茶の量」 「湯の量」 「湯の温度」 「浸出時間」 を決める

①茶葉の量 ②湯の量 ③湯の温度 ④浸出時間、これら4つのポイントを調節することで、1種類のお茶からも様々な香味を引き出すことができます。
また浸出する成分も調節することができ、ポイントを絞った茶の機能性としての効能・効果も期待できます。
お茶にも個性がありますので、まずは基本の淹れ方を試して、「爽やかな香り」、「うま味」、「甘味」、「渋味」、「苦味」などを調節して、ご自分の好みに合うように入れて頂ければと思います。


① 【茶葉の量】
■一度で使う量
煎茶の場合、1人分は2~3gが基本です。
多人数の場合は1人分2g程度が目安です。(例:5人分→10gとなります)
※但し1人で飲む場合は、少し多めの5g位が適当です。
使用する量はけちらないことです。茶葉にゆとりがあったほうが、2煎目以降も美味しく淹れられます。

■茶葉の量り方
普通煎茶や深蒸し煎茶の場合は、茶さじ(ティースプーン)で軽い山盛りで約2g、山盛りで3g、大さじで5~6gが目安となります。
ほうじ茶や番茶の場合、大さじ一杯で約3gとなります。
※茶種やグレード等により比重が異なるので注意が必要です


② 【湯の量】
■湯の量を量るときは、湯のみを使うのが便利
茶葉がお湯を吸収するので、一煎目を入れる場合、人数分の各湯のみに8分目程の量が適当です。
湯のみを用いますと、お湯の量を正確に量ることと、予め湯のみを温めておくこと、湯温の調整をすることができ便利です。


③ 【湯の温度】
■湯温の調整(湯冷まし)の仕方
季節や器の材質などによっても多少異なりますが、新しい器にお湯を移して、その器が温まるごとに、5~10℃ずつ下がると覚えておくと便利です。
(例:ヤカン100℃→ポット90℃→茶碗に入れ、温まると80℃→室温にもよるが、このまま1分程待つとさらに10℃下がる→急須に入れる60℃位になります。)

■日本茶の美味しさは、香りと味の成分で決まる

湯の温度と成分溶出(イメージ図)香りの成分は、温度の高いお湯で淹れるほど強く出ます。
味の成分についてですが、苦渋味の素であるカテキン(タンニン)は、お湯の温度が80℃以上でよく溶け出します。苦味の素のカフェインも、お湯の温度が高いと短時間で溶け出します。うま味・甘味の素であるアミノ酸類は、お湯の温度に影響されず、90℃でも60℃でも同じくらいの溶け出し方をします。

つまり、80℃以上で入れれば苦渋味が強く、それより低い湯温で入れれば、うま味と甘味を強く感じられるお茶が入れられます。


④ 【浸出時間】(急須に茶葉と湯を入れて待つ時間)
お茶の種類や好みにもよりますが、上・中級の普通煎茶の場合、1分~1分半が目安となります。
近年、製造の過程において、お茶を蒸す時間が長い傾向にあります。そのため、葉が細かめの深蒸し茶などは、浸出しやすいので、普通煎茶の半分くらいが適当となります。

使用するお茶に適した浸出時間を知ることも、以後そのお茶を楽しむのに大切です。
浸出時間が長め茶葉の撚りがギュッと絞まり固そうなもの
浸出時間が短め深蒸し茶などの、葉が細かめのもの



 4.「廻し注ぎ」で最後の一滴まで注ぎ切る

廻し注ぎ各湯呑みに、お茶の量と濃度が均等になるように、何回かに分けて注ぎます。これを「廻し注ぎ」といって、茶碗3客の場合、1・2・3と少しずつ注いだら、3・2・1と戻り、これを繰り返し、最後の一滴まで注ぎ切ります。
急須にお湯が残っていると、お茶の成分が出続け、苦渋くなってしまいますので、二煎目以降も美味しく飲むために、しっかり注ぎ切ります。


 5.二煎目以降をおいしく入れるために

二煎目は、残った成分が浸出しやすいように、一煎目よりやや高い湯温で、浸出時間は一煎目の半分くらいで入れます。三煎目を入れる時は、二煎目よりもやや高い湯温で、浸出時間も二煎目の半分になります。
また、最後の一滴まで注ぎ切った時、急須の後ろ(注ぎ口の反対)を手の平でポンとたたいて、急須の注ぎ口の網についている茶葉を急須の真ん中に戻します。さらに蓋を少しずらしておくと、急須の中の茶葉が蒸気と熱気によって蒸れずに、二煎目以降も美味しく入れることができます。

煎茶の入れ方

煎茶の魅力は、お湯の温度などによって味わいが変化し、ひとつのお茶で様々な香味を楽しめることです。
お茶の成分の溶け出し方をコントロールすることにより、80℃以上で入れれば苦渋味が強く、それより低い湯温で入れれば、うま味と甘味を強く感じられるお茶が入れられます。


上級煎茶
うま味や甘味を豊富に持っているのが特徴ですので、それを味わうために、苦渋味があまり出ないように、お湯の温度を少し冷まして入れます。
(70℃くらいが適温です)

中級煎茶
日常のお茶としてよく飲まれ、さっぱりとした味わいと、さわやかな香りが特徴のお茶です。その香りと、キリッとした苦味を味わうために、やや高めの湯温で入れます。
(80~90℃くらいが適温です)

 ▼煎茶の入れ方 ~手順~



1.5分程沸騰させた湯を用意する



2.各湯のみの8分目まで湯を注ぎ、湯冷ましする
(上級煎茶の場合、湯冷ましに一度、湯を移してから湯のみに注ぐ)



3.急須に茶葉を入れる (1人分は2~3g。1人で飲む場合は5g。)
※茶さじ(ティースプーン)で軽い山盛りで約2g、山盛りで3gが目安となります



4.湯呑みの湯を急須に注ぎ、蓋をして1分程待つ
(上級煎茶の場合、2分程待つ)



5.各湯のみに、少しずつ順に注ぐ
(茶碗3客の場合、①②③と注ぎ、③②①と戻り、これを繰り返す)



6.最後の一滴まで注ぎ切り、急須の蓋をズラしておく
(茶葉が蒸れず、2煎目以降も美味しく淹れられる)



7.二煎目以降を入れるときは、その都度、少しずつお湯の温度を上げ、浸出時間は半分程にして入れる


玉露の入れ方

玉露は、濃厚なうま味と甘味が豊富で、ゆったりと、ごく少量ずついただくお茶です。
その豊富なうま味と甘味を引き出すために、50~60℃くらいの温めのお湯で入れます。


 ▼玉露の入れ方 ~手順~



1.5分程沸騰させた湯をポットに用意する



2.ポットから湯冷ましに湯を注ぎ、冷ます



3.湯冷ましの湯を、各湯のみの8分目まで注ぎ、冷ます
このまま1分程待ち、さらに湯を冷ます



4.急須に茶葉を入れる (1人分は約3g。1人で飲む場合は5g必要。)
※茶さじ(ティースプーン)山盛り一杯で3gが目安となります



5.湯のみの湯を急須に注ぎ、蓋をして2分程待つ



6.各湯のみに、少しずつ順に注ぐ
(茶碗3客の場合、①②③と注ぎ、③②①と戻り、これを繰り返す)



7.最後の一滴まで注ぎ切り、急須の蓋をズラしておく
(茶葉が蒸れず、2煎目以降も美味しく淹れられる)



8.二煎目以降を入れるときは、その都度、少しずつお湯の温度を上げ、浸出時間は半分程にして入れる


ほうじ茶・番茶・玄米茶の入れ方

ほうじ茶や番茶、玄米茶は、さっぱりとした味わいと、香りを楽しむお茶ですので、香りが引き立つように、熱湯で入れます。
茶葉をこまめに取り替えるのが、おいしく入れるポイントです。


ほうじ茶・番茶
さっぱりとした味わいと、焙じ香や香ばしい火香を楽しむお茶。
カフェインが少ないお茶なので、寝る前に飲んだり、運動後の水分補給の時など、安心して飲めるのも特徴
玄米茶緑茶の持つ渋味が、玄米の炒った香ばしさにより調和されるため、口当たりの良いさっぱりとした味わいが特徴

 ▼ほうじ茶・番茶・玄米茶の入れ方 ~手順~



1.5分程沸騰させた湯を用意する



2.急須に茶葉を入れる (1人分は約3g。1人で飲む場合は5g。)
※大さじ一杯で約3gが目安となります



3.湯を急須に注ぎ、蓋をして30秒程待つ



4.各湯のみに、少しずつ順に注ぐ
(茶碗3客の場合、①②③と注ぎ、③②①と戻り、これを繰り返す)



5.最後の一滴まで注ぎ切り、急須の蓋をズラしておく
(茶葉が蒸れず、二煎目以降も美味しく淹れられる)



6.二煎目を入れるときは、浸出時間は半分程にして入れる
※茶葉をこまめに取り替えるのが、おいしく入れるポイントです


冷茶の作り方

夏の暑い時期に、冷たいお茶を飲むのは格別なものです。
ここでは、食中毒が心配な季節にぴったりの、カテキン効果も得られる、おいしい冷茶の作り方を紹介します。


ティーバッグで作る 氷を用いて作る マイペットボトルの作り方

 ▼ティーバッグで作る



1.冷水ポットと、水出し用ティーバッグ(5gパック)またはティーバッグに入れた深蒸し煎茶(5g)を用意する



2.冷水ポットに、水とティーバッグを入れる(水0.5Lに対してティーバッグ1袋5gが目安)
※水道水を用いる場合、カルキ臭を抜くため、浄水器をを通すか、一度沸騰させてから冷ました水を用いる



3.冷蔵庫で20分程置き、冷水ポットからティーバッグを絞ってから取り出す(濃い目に絞るのがおいしさのコツ)
※冷蔵庫で保存しておけば、水色も味も変わらず、いつでも美味しく飲めますが、一日位で飲み切りましょう




 ▼氷を用いて作る

適温で淹れて、いっきに冷やすとお茶のうまみ、香り、色も栄養もそこなわず、お茶本来のおいしさが楽しめます。




1.5分程沸騰させた湯を用意する



2.急須に茶葉を入れる (1人分は約3g。1人で飲む場合は5g。)
※茶さじ(ティースプーン)山盛り一杯で3gが目安となります



3.60℃程に冷ました湯を急須に注ぎ、蓋をして約2分程待つ



4.氷を入れたグラスに、濃さが均一になるよう、少しずつ順に注ぐ
(茶碗3客の場合、①②③と注ぎ、③②①と戻り、これを繰り返す)

※グラスに熱湯を注ぐと温度差によって割れることがありますのでご注意下さい。なお、使用されるグラスは、耐熱性のあるものなどをお勧めします。




 ▼マイペットボトルの作り方

最初に高い湯温で入れるため、夏場のカテキン効果が期待できます。
また急冷するので、緑色の水色を保つことができ、目にもおいしい作り方です。




1.5分程沸騰させた湯を用意する



2.よく洗った500ccの茶用ペットボトルを用意する(キャップがオレンジ色)
※普通のペットボトルは高温のお茶に向かないので、ホット用を用意します



3.大きめの急須に茶葉15gを入れる
※大さじ一杯で約5gが目安となります



4.80℃くらいの湯を急須に注ぎ、蓋をして1分程待つ



5.ペットボトルに注ぎ、二煎目以降でボトルをいっぱいにする



6.ふたをして、流水で冷やし、さらに冷蔵庫で冷やすとよい
※一日で飲み切りましょう


緑茶の標準的な入れ方 (早見表)

緑茶の標準的な入れ方(早見表)は、各種日本茶の標準品を使用し、その茶の特徴を最も出せる入れ方を検証した結果です。しかしお茶にはそれぞれ個性があり、全てをこの基準に沿って入れれば良いのではありません。
例えば、最近市販されている煎茶は、成分が溶出しやすいように、蒸し時間がやや長めのものや、普通煎茶と深蒸し煎茶をブレンドしたりすることもあるため、下記の表の基準に沿って入れた場合は、当然にして濃い、薄いの差が出てきてしまいます。
まずは基準の入れ方を試してから、その茶に合う、またご自分の好みに合わせて、お茶の量、お湯の温度、浸出時間などを調整して入れて下さい。


 ▼緑茶の標準的な入れ方 (早見表)

茶種人数(人)茶量(g)湯量(ml)湯温(℃)浸出時間(秒)
玉露(特)106050150
玉露(並)106060120
煎茶(上)17070120
煎茶(並)104309060
かぶせ茶1708060
深むし茶1708030
焙じ茶
番茶・玄米茶
15650熱湯30
茎茶2708060
芽茶1709040
粉茶250熱湯即時
抹茶(薄茶)6080
水出し煎茶
(ティーバッグ)
10水1L冷水冷蔵庫で20分

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